壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

隠居おてだま  西條奈加

隠居おてだま  西條奈加

角川書店     図書館電子書籍

図書館で初めて借りた電子書籍は、『隠居すごろく』の続編です。『すごろく』では、還暦を期に隠居したはずの徳兵衛の第二の人生は、充実したものになりました。徳兵衛が手助けした子供たちやその家族の幸せと自分の商売を両立したのです。ところが、『おてだま』では出戻り娘の身の振り方をめぐって、家族と行き違いが起きます。

徳兵衛の仲間の御隠居が「隠居はお手玉」のようなものだと語るくだりがあります。「家族や周囲の者が次々と持ち込む悶着を、うまく捌いてこその隠居生活だ」という意見に徳兵衛も賛成するのですが、なんと!徳兵衛は家族や奉公人に逆に手玉に取られてしまったのです。もともと頑固者の徳兵衛が意固地になり、へそを曲げたのでさらに大騒ぎ。妻のお登勢まで・・・・。

全面解決には程遠い最後なので、続々編もあるのかもしれません。余計なお世話ですが、次の『隠居○○○○』に当てはまるものを考えてみました。『おはじき』『はねつき』『たこあげ』『けんだま』『たけうま』・・・どれもうまくいかなそう(笑)。