壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

自転しながら公転する  山本文緒

自転しながら公転する  山本文緒

新潮文庫  Kindle unlimited

三十代前後の女性にとって、人生の選択の時期でもあり、仕事/恋愛/結婚/家事/育児と目の回るような時期です。それを「自転しながら公転する」というのは、言い得て妙です。私にとってはもう大昔なので、共感した!とはおこがましくて言えないので、記憶の底に埋め込んでおいたものを掘り当ててしまった!というところでしょうか。埋め込んでおいた記憶が地雷かもしれないので、深堀はしません(笑)。

主人公の都の母親の視点の方には多少の共感を持ちました。都、その母桃枝、そしてもう一人の女性の三者の視点が面白かったと思います。地方に暮らすごく普通の女性の情感が嫌味なくリアルに描かれていて、筆者の文章が好きです。『無人島のふたり』は辛くてまだ読む気になれません。

そして私は一人になった』以来、読みたいと思っていた本が読み放題になったのは、TVドラマ化されたせいかもしれません。ドラマは見なくていいかな。