壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

善人長屋  西條奈加

善人長屋  西條奈加

新潮文庫 Kindle unlimited 

人情時代物は、疲れた頭を癒してくれます。読み放題なので、お財布も癒してくれます。

住人がみな裏稼業を持つ悪党たちという善人長屋に、根っからの善人である加助が住みつきました。困っている人を見ると助けずにはいられない加助は、悪党の中ではトラブルメーカーなんです。善人長屋の住人は悪党とはいえ人情に厚い性質で、裏稼業の技を生かして、加助が持ち込んだ難題をみごと解決していきます。

加助が善人長屋に流れ着いた話から、火事で亡くなったはずの加助の妻子が現われる最終話までの九話は、どれもコンパクトにまとまっていて、一日で読んでしまいました。

昨年NHKBS時代劇でドラマ化されたそうですが、忙しい時期で全く気が付きませんでした。面白いキャラクターの加助を演じているのは誰なのか?と思いましたが、……意外な役者さんでした。再放送希望です。

小説は続編が二冊あり、50%ポイント還元でお薦めされているけれど、読み放題希望です。

長屋の住人達による探偵噺には都築道夫『なめくじ長屋』、半村良『かかし長屋』などを思い出しました。懐かしくなって、再読しようかな。