二年半待て 新津きよみ
徳間文庫 電子書籍
セカンドライフがなかなか良くて，就寝前読書にもう一冊読んでみました。就活・婚活・恋活・妊活・保活・離活・終活をテーマにした7つの短編です。女たちの日常の話で読みやすく，最後に仕掛けがあります。一気に読んでしまい，数日たって内容を覚えているのが，「ダブルケア」だけというお粗末です。私は脳活しなきゃ！ 介護経験がある者にとってはこれが一番身につまされる話で（いちおう保活がテーマですが），アラ環の主婦が義父母や実父母の介護を次々にこなし孫の世話まで引き受けている多忙の毎日に，陥穽があったのです。多重介護をしている知人が近くにいて心配しています。
脳活のため，なるべくネタバレしないようなあらすじを作りました。
彼女の生きる道 離婚して別居している娘が「就活」の最中で，厚子は実母と暮らしている。母娘関係に問題がありそうだが，とにかく娘は内定をもらった…。77歳の母はずっと「○活」していたんだ！
二年半待て 30歳の梓は2歳年下で奨学金をかかえた彼に「二年半待って」と言われた。母親は「婚活」を勧めるが…。最後の「二年半待って」で最初に戻って読み返す！
兄がストーカーになるまで 十歳年上のもてない兄の「恋活」を応援する七海は，兄に女性を紹介したが…。そういう兄妹だったのね！
遠い心音 43歳の幸恵は，若くして生んだ息子とその10歳年上の彼女のデキ婚を認めようと思っていた。幸恵は体調が悪く更年期かと思っていたが…。そう来たか，高齢出産！
ダブルケア 58歳の史江は義父母と実父の介護を終え，今は母の認知症を疑っている。さらに娘の子供の世話まで引き受けている多忙の毎日で，さらに息子の所も出産だという。「保活」を考えて計画出産をするという嫁の世話もしたいと，東京まで出かけたが…。迷子になっちゃった！
糸を切る 高校文芸部の同級生の女三人は，離婚式をあげた翔子，夫と別居中の治美，夫と死別した玲子。翔子の元夫も同級生。…この人たち50歳は越えていると思うが，いろいろあって，またいろいろありそう！
お片づけ 理央の祖母菅野俊枝は周到な「終活」ののち88歳で他界した。他界した時，祖母の名前は旧姓の「土屋」に戻っていた。残された五年日記に記された祖母の心の謎とは…。88でも心は乙女！
