壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

棟居刑事の凶存凶栄 森村誠一

イメージ 1

棟居刑事の凶存凶栄 森村誠一
角川文庫 2010年 660円

「読む本が無い!」という恐怖を久しぶりに味わいました(笑)。出先で持っていた本を読み終えてしまい、早朝の新宿駅から本を持たずに三時間の高速バスに乗る羽目になりかけ、開店前の紀伊国屋書店を恨みがましくにらみながら、あわててコンビニで購入した本です。他に読めそうな本がなかったのでしようがなく買ったけれど、ほぼ三時間で読了。

棟居刑事のシリーズはまだ続いています。どれもこれもストーリーの区別がつかないほど似通っているけれど面白くないこともないし、大げさなくらい硬い言い回しもわりと気に入っています。七作中後半の三作『余命の~』は、余命を宣告されたがん患者が探偵役として、その新たな視点で町を見回した時に気が付く些細な違和感を、知人である棟居刑事に話し、それが事件解決の鍵となるという切り口がおもしろい。