壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

オーファーザー! 伊坂光太郎

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オーファーザー! 伊坂光太郎
新潮社 2010年 1600円

高校生の由紀夫には四人の父親がいます。カルテットのような父親たちは、それぞれに個性豊か(・・・なはずなんだけれど、いまいちインパクトがない・・)と同居しているありふれた(・・・ありふれていないはずなのに、でもいかにもありそうな・・・)日常生活が、軽口の会話(・・・この会話を楽しめるかどうかがポイントで、年寄りにはキツイかも・・・)とともに、あくまで軽く軽く描かれています。

友人の不登校の原因が大事件につながっていたり、友人の父親が実は・・だったり、ちっとも登場しない由紀夫の母親(・・これは一人だけど・・)には重大な秘密があるのかと思っていたらそうでもなかったり、ちょっとずつ意外な展開に引き込まれてあっという間に読んでしまいました。伊坂作品はどうも苦手なんですが、こういう娯楽に徹した軽いのりは好きです。『陽気なギャング~』がこんな感じだったかしら。