この本が刊行され始めたころは忙しくて、長丁場になりそうなものを読み始める決心がつかず、完結した時点で読み始めようと漠然と考えていました。この夏、文庫版の既刊28冊をまとめて借りることが出来ましたので、少しずつ読んでいくつもりです。
「なぜローマ人だけがあれほどの大を成すことができたのか」
エトルリア人にとっては低すぎる丘であり、コリント人にとっては海に面していない土地であるため見向きもされなかったローマの地。エトルリア人とコリント人という二大勢力のはざ間にうまれた町で、ロムルスは国政を、王と元老院と市民集会の三本柱とした。
「サビーニ族の女たちの強奪」ののちサビーニ族との戦いに勝つが、敗者でさえも対等に同化する政策は、ローマの強大化に寄与した。以降も近隣部族のローマ移住を積極的に推奨していた。
ローマを強大にした要因は、宗教についての考え方にもあった。多神教では、人間の行いや倫理道徳を正す役割を神に求めない。一神教では、それこそが神の専売特許なのである。多神教の神々は、ギリシア神話に見られるように、人間並みの欠点をもつ。
第二章 共和制ローマ 前509~前270年(ルビコン川以南のイタリアを統一)
共同体にとって、王政は初期のうちは中央集権的であるため効率が良かったが、ついにはその使命を終え、ルクレツィアの事件をきっかけに共和制に移行していった。元老院より選出された任期一年の執政官二人が終身任期の王の代わりとなった。非常事態に置く独裁官。平民の権利を守る護民官など。
共同体にとって、王政は初期のうちは中央集権的であるため効率が良かったが、ついにはその使命を終え、ルクレツィアの事件をきっかけに共和制に移行していった。元老院より選出された任期一年の執政官二人が終身任期の王の代わりとなった。非常事態に置く独裁官。平民の権利を守る護民官など。
前390年、ケルト人(ガリア人)による7ヶ月間のローマ占領(身代金によって解決した)以降、ローマの共和制も外交政策も充実していった。貴族と平民の垣根を取り払い政治的な要職を平民出身者にもすべて解放した。元老院も例に漏れず、ギリシアとは異なる政治体制を選んだ。