「ローマ人の物語」ユリウス・カエサル ルビコン以前を読めば、『簡潔、明晰、洗練されたエレガンス』と評判の文章とはどんなものか、せめて日本語でもいいから、「ガリア戦記」を読みたくなります。新訳で出版されたばかりのこの本、
こんなに字が大きいと、いつも読書用に使っている度の強い凸レンズの眼鏡だと、慣れるまでクラクラしますが、慣れれば読みやすい。字の小さい旧版の文庫など、もう読む気にはなれません。
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文章のほうは、「洗練されたエレガンス」はよくわかりませんが、たしかに「簡潔、明晰」です。そして内容は、もう塩野さんがたっぷりと解説してくださっていたので、再確認という感じでしたが、やはり面白いです。
情報収集力、カエサルと三人称で書く冷静さ、従軍記者が書いたドキュメンタリーのようですが、それとなく自分の功績をアピールするそのやり方は巧みかなと思います。でも、ガリア文化に関する記述は文化人類学的な観察のようで、カエサルという人の公平さが感じられます。2000年も読み継がれるとは、カエサルもまさか想像していなかったでしょうが、読者をはっきりと意識した文章でした。
ローマ人の続き、読もう。