壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

世界文学に見る 架空地名大事典

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完訳 世界文学に見る 架空地名大事典 アルベルト・マンゲェル&ジアンニ・グアダルービ
高橋康也 監訳 講談社 2002年 7600円

「読書の歴史」のA・マンゲェルの本です。1980年にでた本が2000年に改訂されたものです。三段組、800ページの全部を読もうというつもりは無論ありませんから、拾い読みです。読了できません。

フィクションがファクトである事を前提として、探検家や歴史家の態度で、真剣に編まれた地名事典です。しかし扱うのは、現実の地名を排し、虚構を旅行する者が訪れる場所に限定されています。また各種の天国や地獄や未来の場所を排除し、地球だけに限定されています。

A・K・ル・グィンの「アースシー」は載っているけれど、「カリフォルニアの大谷」のケシュ文化については書かれていません。なぜかというと、「オールウェイズ・カミングホーム」は未来の話だからです。

E・R・バローズの「地底の世界ペルシダー」は載っているけれど、デジャー・ソリスのいる「赤色人国家ヘリウム」は載っていません。なぜならそれは地球じゃないからです。

J・スウィフトの「ラピュタ」は載っているけれど、宮崎駿の「ラピュタ」は載っていません。なぜだか分からないけれど、小説じゃないとダメみたいです。当然ながら、「風の谷」も「ドルク」もありません。

トールキン「中つ国」は載っているけれど、井上ひさしの「吉里吉里国」は載っていません。なぜなら英語に翻訳されていない(と思うのです)からです。でも「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「街」は、翻訳されているのに載っていません。村上春樹だから?それとも日本だから?

「中つ国」の詳細な地図も、ナルニアに入国するための方法も載っていて、楽しい本です。「ハリポタ」も第二巻まではカバーしています。手元におきたい本ですが、もう品切れで古書が12000円もしますので、とても買えません。もうすぐ図書館の返却期限ですが、また借りてきましょう。他に借りる人もいないでしょうから。