壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

翻訳夜話

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翻訳夜話 村上 春樹, 柴田 元幸
文春新書 2000年 

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 村上 春樹, 柴田 元幸
文春新書 2000年 

別に攻殻機動隊繋がりぢゃないけれど、サリンジャーの「ライ麦畑」が村上春樹の新訳で「キャッチャー・イン・ザ・ライ」として2003年に出たので、ずっと気になっていました。でもサリンジャーも(村上春樹も)再読する気にはなれなくて、どうしようかと思っていたら、この本(の第二弾、サリンジャー戦記)の存在を知り、まずは2000年の方の本から読みました。

翻訳のHow Toではなくて、翻訳への思い入れが語られています。カーヴァーとオースターの2作品を著者の二人が競訳していて面白そうなので、巻末についていた原文を読んでからと思い、時間がかかってしまいました。二人の競訳については、三回目のフォーラムの参加者であるプロの翻訳家たちが議論しています。それも面白かった。個人的には、村上訳の方が好きかな、文章のリズムに乗れるから。

カーヴァーもオースターも全く未読でした。アメリカ(US)文学経験は、ほぼヘミングウェーとフォークナー止まり。河出書房新社の世界文学全集グリーン版(全50巻)の最後がフォークナーだったのを覚えています。この 全集の出版が、ちょうど高校時代に重なっていたので、ずいぶん読んだような気がします(この時、ダンテの「神曲」は途中までしか読めなかった覚えがあります。)

それ以降、アメリカものは、見事にミステリーとSF(の古いもの)に偏ってしまい、ハインラインブラッドベリはともかく、バローズやスミス(火星シリーズやレンズマンの方)はアメリカ文学に入れてもらえるのかしらね。