壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

猫の傀儡 西條奈加

猫の傀儡 西條奈加

光文社文庫 電子書籍

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猫が主人公の痛快時代ミステリーです。猫が人間を操って事件を解決する,これって江戸時代の三毛猫ホームズ? 三毛猫ホームズを読んだ事もなく猫を飼ったこともないのだけれど,とても楽しめました。猫の鳴き声は人間を操るというのは本当だと思う。子猫連れの若い野良母猫にわが家の庭で「ニャー」と頼まれた時,どうしようかすごく悩んだもの。

 

「猫の傀儡」 野良の「ミスジ」は失踪した先代の猫の傀儡師「順松」の跡を継いだ。操る人間の傀儡は売れない狂言作家の「阿次郎」。猫町の猫の厄介事を,人間に悟られずに解決するのかお役目だ。初仕事は,花盗人の疑いをかけられた「キジ」を助け,ついでに人間たちの厄介事を見事に解決する。

「白黒仔猫」 カラスにさらわれた白い仔猫を助け,行方不明になった黒い仔猫を探し,ついでに人間の女の子を助ける。

十市と赤」 恩のある老猫「赤爺」を助けようとして,殺しの犯人にされた「十市」の冤罪を晴らす。

「三日月の仇」 因縁のあるカラス「三日月」の助けをかり,連続殺猫殺カラス事件を解く。

「ふたり順松」 失踪した「順松」の手がかりが見つかったのか。同時期に失踪した二人と一匹の行方は…

「三年宵待ち」 辰巳芸者「順松」と根付師「時雨」の事情が分かり,猫町大捕物」が始まった。

 

直木賞受賞作の『心淋し川』を読もうと思ったけれど,図書館の予約が3桁なのであきらめました。