壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

ロボット・イン・ザ・ハウス  デボラ・インストール

ロボット・ザ・ハウス  デボラ・インストール

小学館文庫

 f:id:retrospectively:20210314174932j:plain

 タングの二作目です。ベンとエイミーの娘ボニーが9カ月,タングはすこしお兄ちゃんになりましたが,AIとしてというよりも,人間の男の子として頑固でちょっと生意気で可愛く成長しています。ある日,マッドサイエンティストのボリンジャーが送り込んだ別のロボットが庭に現れました。黒くて丸くて針金ハンガーが手の代わりに付いている空中浮遊型の「ジャスミン」です。チェンバース家の位置情報をボリンジャーに送信しているというのですが,家族と関わっているうちに,味方になってくれました。真面目な本好きの女の子です。AIの精神年齢としてはタングよりお姉さんで,二人は友達になったようです。幼児を含む3人の子供がいる家族の常として,どこへ行くのも何をするのも大騒動。保護したノラ猫に子が3匹生まれ,ベンはエイミーと”よりを戻す“暇がない! 最後にはボリンジャー本人が現われて…でもあっという間に大団円。…でも終わりじゃないのです,第三作,第四作が出ています。

 

この物語を読み進む原動力は,「タングが可愛い」という「胸キュンのエネルギー」。冒険もミステリーも,もちろんなんのメタファーもありませんから,安心して?読めます。「胸キュンのエネルギー」は歳と共に減少するらしく,すぐ眠くなるので,おやすみ前の読書に最適。第三作,第四作も友人にいただきました(ありがとう!)。また別の本の合間に読みましょう。甘くてふわふわした物語なので,続けて読むと虫歯になりそう。