壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

恋する植物―花の進化と愛情生活 ジャン‐マリー・ペルト

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恋する植物―花の進化と愛情生活 ジャン‐マリー・ペルト 
ベカエール直美訳 工作舎 1995年 2500円

動物の本ばかりでなくたまには植物関連の本を読みましょう。原書が1980年の出版でちょっと古かったかな。副題にあるように植物の性進化の話で、植物系統分類学周辺で、内容はかなり専門的です。しかし、ずいぶんとくだけた表現が多用されています。

専門用語をなるべく使わない植物の進化の話は一見読みやすいのですが、本が大部であるうえ、図がほとんどないので植物の形をまったく知らないと理解しにくいでしょう。サムネイルほどのちいさいカラー図版(花の絵)がついているのですが、とても判りにくいです。しかし、個々の植物に関する面白エピソードが豊富で、なんとか読み終えることができました。

植物の面白トリビアを紹介したいところですが、「おしべとめしべが・・」よりもずっとオトナな比喩がふんだんに使われて、気軽に引用しにくいです。花というのは植物の生殖器管ですからそういう比喩はあながち間違いではないのですが、ところどころ擬人化した表現が行き過ぎていて誤解を与えかねません。そういうところが売りなのでしょうか、植物に意思や感情があるかのような、かなり確信犯的に微妙な表現を用いています。

もう少し読みやすい植物の本はないか探しているところです。あまりにも漠然としていて、ネットでは探せません。図書館の書架で探したいところですが、週末に図書館に行くころには、たいてい忘れています。