壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

魔法

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魔法 クリストファー・プリースト
古沢 嘉通 訳 ハヤカワ文庫FT 2005年 966円

爆弾テロにまきこまれ、大怪我をして記憶を失くしたグレイのもとに、恋人だと名乗るスーザンがたずねてきた。グレイが取り戻した記憶はしかし・・。スーザンの元恋人ナイオールの存在が明らかになると・・・。

プリーストお得意の複数の視点から語られる物語です。「双生児」や「奇術師」ほどの劇的な背景はなく、男女三人の恋愛関係のようにも読める話です。でも不思議度はかなり高く、読み終わったあとも不思議さは完全に解決されず、読者もまた複数の解釈を持ちたくなります。

「この話は、さまざまな声で語られた、私自身の物語なのだ。」という言葉で結ばれる第一部の視点は誰のものだったのか。第六部九章を読んで初めて見えてきました。


以下ネタバレキーワード。反転注意
魔法(原題はglammour)というのは、
透明人間というより「ドラえもん石ころぼうし
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メタフィクション
以上。