壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

その本は ヨシタケシンスケ 又吉直樹

その本は ヨシタケシンスケ 又吉直樹

ポプラ社  図書館本

古めかしい装丁の本を移動図書館の棚で見つけた。中の頁も古色蒼然としている。二人の著者の組み合わせが意外でもあるが、さもありなんとも思う。話題になったらしいが、知らなかった。

年寄りで目が悪く本が読めなくなった本好きの王様は、二人に世界中のめずらしい本の話を探し出すことを命じた。一年後に旅から戻った二人は、寝たきりになった王様に一晩ずつ交代でいろんな本の話をした。

足の速い本、双子の本、ボンヤリとして読めない本などの小ネタをつづけるうちに、中編小説が始まったりする。ヨシタケさんの第6夜:父が作ろうとした本、又吉さんの第7夜:絵本作家になりたかった少年の話などに、ホロリとさせられる。あっという間に読める本だけれど、もう一度読み返してみて、再度感動した。二人がそれぞれに本を愛し、本を書くことを大切にしていることがよくわかる。

王様の最期の命令で、お話を集めた本が出版されたが、何と!

見てきたような嘘を言うのが講釈師なら、作家は見てきたような嘘を書く。だから許してあげて!