壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

帝都一の下宿屋   三木笙子

帝都一の下宿屋   三木笙子

東京創元社  Kindle unlimited

初めての作家の見知らぬ本でしたが、表紙の雰囲気がいいので、読み放題でゲット。

明治時代後期なのだろうか、京橋川沿いの下宿屋〈静修館〉の大家は、年若いのに料理上手で世話好きの梨木桃介だ。桃介の料理に惚れ込んでいるのが、下宿人で小説家の仙道湧水。編集者に対しては傍若無人のふるまいをするのに、桃介の前では〈猫をかぶっている〉。

桃介が気にかけていた粗悪な醤油の謎を解いた仙道湧水のもとには、次々に探偵話が持ち込まれる。書類の盗難、空き家の不思議、銭湯の板の間稼ぎと、日常の謎がやんわりと解かれていく。

 

四編の連作短編を面白く読み終えましたが、初めのうち、登場人物のキャラクターがつかめず、文章がすんなり理解できませんでした。文章が簡単すぎてかえってすらすら読めず、もしかしたらこういうのをラノベというのでしょうか。三話目からやっと読み慣れて、面白さが伝わってきました。

明治時代のコージーミステリかな。コージーミステリの多くは女性が主人公ですが、本書ではメインの登場人物のほぼ全員が若い男。静修館の下宿人は男子ばかりだから当然だけど、さらに美男が多くて、なんかBLの雰囲気さえします。他の探偵物シリーズのスピンオフのようです。『帝都探偵絵図』という4巻がkindle unlimited で読み放題になっていました。 どうしよう…年寄り向きじゃないし…読まないでいいかな。