壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

誘拐の日 チョン ヘヨン

誘拐の日 チョン ヘヨン

米津篤八訳  ハーパーBOOKS 電子書籍

エンタメ系の韓国ユーモアミステリでした。病気の娘の治療費のために富豪の娘を誘拐した気弱でお人よしの男と、誘拐された11歳の天才少女が次第に心を通わせていくのが読み所でした。殺人事件に巻き込まれて、二人は逃亡しつつ、事件を解決しようとします。次々と起こる予想外の展開に、読むのを止められないタイプのストーリーです。

韓国の社会的背景(格差、学歴、医療など)も感じさせはしますが、深くは考えずに楽しめました。人情派の刑事さんもよかった。ただ、地下の研究室で行われていたという実験は、韓国ドラマ風なあり得ない設定です。コージーでイージーなジェットコースターミステリで、一日で読んでしまいました。