壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

電柱鳥類学  三上 修

電柱鳥類学  スズメはどこに止まってる? 

三上 修 岩波科学ライブラリー 電子書籍

散歩に行くたびに見かける電柱と鳥たちが研究対象になっている面白い本です。電線に止まるスズメとカラスの位置関係について深く考えたこともなかったけれど,そういえばカラスはいつも電柱に近い所に止まっています。電柱や電線が登場したのは生物の歴史からしたらほんの最近の事なのに,鳥たちは人間活動に見事に適応しています。全国的な調査を基に,人間と鳥たちが結ぶ共生関係を考えようとしているユニークな分野です。

文章が読みやすく,ちょっとしたダジャレを挟み,電線や電柱にまつわる映画や絵画の話も出てきて,三時間くらいで気楽に読めました。最初に,電柱と電線の詳しい解説があって,役に立ちました。

散歩の途中に撮った解像度の悪い写真です。カラスは見事に電柱の近くに止まっていました。高い所にある電力線(架空電線)三本,低い所の電信線など,散歩するのに,バードウオッチングだけでなく,電柱ウオッチングも楽しめそうです。

電柱や電線が出てくる映画の紹介の中に,「鉄塔 武蔵野線」がなかったのが少々残念です。電柱じゃなくて鉄塔だから取り上げてもらえなかったのかな。