壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

インチキ科学の解読法

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インチキ科学の解読法 ついつい信じてしまうトンデモ学説
Did Adam and Eve have navels?の抄訳 原書は2000年
マーティン・ガードナー 光文社1700円 太田次郎 監訳 2004年

アメリカといえば、世界最先端の科学・技術の国というイメージがある。だが、現実には、エセ科学や迷信の大国でもある。アメリカにはびこるインチキな科学者や宗教家などを鋭く皮肉り批判した一冊。”がこの本の売り言葉でした。

確かにアメリカでマーケットのレジ近くに似非科学満載のタブロイド新聞とサイエンティフィックアメリカンが並んでおいてあって、びっくりでした。

ガードナーは1914年生まれで、2000年にこの本を出版しているので、85歳を超えていたはずです。

ガードナーは疑似科学に関しては、日本語で読めるのは、
奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 〈2〉なぜニセ科学に惹かれるのか(今度読みます。)
これ以外に、四冊あるようです。

Science: Good, Bad, and Bogus
The New Age: Notes of a Fringe Watcher
On the Wild Side
Weird Water & Fuzzy Logic: More Notes of a Fringe Watcher
“Skeptical Inquirer”という雑誌に連載されたものです。

「科学の名において」というタイトルで引用されている本は「奇妙な論理」という邦訳がありました。あとがきに既刊の邦題に従った云々とありましたが、違いますよ。

アメリカでは世論調査で半分がUFOの実在を信じ、半分以上の人が生物進化は証明されていないと信じているそうで、啓蒙の必要性が高いでしょうね。あるカルト教団はUFOに乗るために集団自殺したとか、NEO(Near-earth objects)によるハルマゲドンのテーマは繰り返し小説や映画になっていますし。進化論に対する風当たりも相変わらず強く、宗教と人種、民族、文化が複雑なアメリカの様子がうかがい知れます。

ところで日本で、UFOや進化論、民間療法(リフレクソロジーやダイエット)、ハルマゲドンに関する世論調査を試みたことがあるのでしょうか。今の若い人はUFOなど本気にしていそうで(というより、簡単に信じて疑わないような気がして)心配です。
さらに、日本には独特の“血液型による性格分類”がありますが、信じている人が50%を超えそうな勢いです。骨髄移植で血液型が変わると性格も変わるのかと質問していた若い人がいました。エッと思いましたが、本人は大真面目でした。

アメリカにはCSCOP(The Committee for the Scientific Investigation of Claims of the Paranormal)と言う歴史の長い団体があるようですが、日本の“Japan Skeptics”や “と学会”はどんな活動をしているのでしょうか。“たけしのTVタックル”のオカルトUFO論争のように、科学側がいきり立ってしまうとなんだかわけがわからなくなります。ガードナーのようにやんわりとユーモアで反論するのが、適切なのでしょうね。