パパはイタリア国内を旅して回るセールスマンで、毎晩九時に電話をかけて、娘にお話を聞かせています・・という設定で、ショートショートが五十数編。現代のイソップとも言える寓意に満ちた話も、シュールな味付けで教訓めいた印象はありません。子供にとっては見知らぬ世界への扉なんでしょうが、疲れた大人にとっては心の栄養ドリンクになりました。
『ミダス王』の黄金もロダーリの手にかかると子供の好きそうなウ○コ話になります。『オスティアの海岸』上空に浮かぶパラソルのシュールな風景が目に見えるよう。空中風景の奇抜さは『チェゼナティコの回転木馬』と『星へのエレベーター』が見事です。『逃げる鼻』で鼻が逃げ出した理由にクスッ。こんなに素敵な『トロリーバス75番』に乗ってみたい。
気になっていた、光文社文庫の「猫とともに去りぬ」を読もう!