壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

神南署安積班 今野敏

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神南署安積班 今野敏
ケイブンシャノベルス 1998年 820円

「イコン」で神南署安積班シリーズには飽きてきたのですが、予約してあった本が回ってきて、読んでみればこれが連作短編で、やっぱり面白いんです。ありふれた事件が主題ではなく、それを捜査する刑事の姿が描かれていて、刑事たちの人情話とでもいいましょうか。ちょっといい話に癒されます。

『スカウト』若者同士の喧嘩で殴った方の若者を速水がスカウトした
『噂』交通課の速水が○○○○(ヤフーに拒否される言葉なんですね、これが)しているという噂がながれた
『夜回り』黒木は美人記者との仲を噂された
『自首』宝飾店の強盗殺人で、小柄な老婆が自首してきた
刑事部屋の容疑者たち』安積は四人の部下たちを集めて、口を割らせようと四苦八苦
『異動』桜井は人事異動の噂を聞いてあせり、無謀な行動に出た
『ツキ』須田には運命の女神が付いているらしい。ロシアの殺し屋を逮捕した
『部下』連続放火魔を捜査している村雨は桜井の手柄を自慢する
『シンボル』人気ミュージシャンの少年が逮捕され、安積は野村管理官に借りを作った

臨海署が復活するにあたって、安積班はそっくり移動になるらしく、新ベイエリア分署シリーズが始まることになります。次の「残照」を予約しました。もう読むのをやめようと思ったのに、やめられません。