壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

九杯目には早すぎる 蒼井上鷹

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九杯目には早すぎる 蒼井上鷹
FUTABANOVELS  2005年 800円

近頃ミステリーづいていまして、名前も知らなかった作家さんでしたが面白そう!

『大松鮨の奇妙な客』鮨屋で茶碗蒸しと握り鮨をぐちゃちゃに混ぜる客の意図は何か?唐突に反転した状況に驚かされます。
『においます?』焼肉屋での逢引がにおいでばれるというような話でもなく、意味不明のショートショート
『私はこうしてデビューした』作家志望の相尾は、ファンから合作しようと執拗に誘われる。最後が急展開であっけにとられました。
『清潔で明るい食卓』そのギネスって何なの?意味がわからないけれど妙にブラックなショートショート
『タン・バタン!』行きつけのバーでであった小野寺という男にいらいらさせられる主人公。その状況で他人の着メロが鳴り続けていたら、そりゃーいやですね。
『最後のメッセージ』ストーカーされている美人作家。フツーのショートショート
『見えない線』バーテンダーのノリオは客の智恵に興味がある。彼女紹介された医者というのが彼女の相手だった。少し皮肉な終わり方。
『九杯目には早すぎる』バーでの会話が合言葉に。使っている本人たちには分らない。
『キリング・タイム』暇つぶしというより、Time to kill。上司に呑みに誘われ断れない主人公。叙述トリックも含めてなかなか複雑な仕掛けでした。

「奇妙な味」のするミステリで、ブラックなわりには軽いので好みです。でも五作品の後についている<参考>図書がピンときません。