たまには流行り物を!と、少し無理して、初めて伊坂作品を読んでみました。というか、ちょっと貸してもらっただけなのですけれど。
4人の銀行強盗はそれぞれに個性的で、7~8割は会話からなっています。テンポの良いやりとりはすぐに映像化できそうだと思ったら、もう映画になっていました。
何かをアレゴリカルに考える必要もなく、娯楽に徹した作品で軽く楽しめましたが、登場人物が結構印象的です。他人の嘘がすぐにわかってしまう成瀬、もっともらしい演説をする響野、天才的スリの久遠、時間感覚にすぐれた雪子。皆、どこか正義派の銀行強盗なんです。
話しのオチもそれほど意外ではなく、あまりハラハラドキドキさせないところも計算済みなのでしょうか。あまりに謎が多いと楽しめませんから。続きの「陽気なギャングの日常と襲撃」も今度貸してもらいましょうか。