五瓶劇場―からくり灯篭 芦辺 拓
原書房 2007年1800円
りぼんさんに紹介いただいて、芦辺 拓を初めて読みました。
上方歌舞伎を江戸に持ち込んだ戯作者並木五瓶が作り出す奇想天外な世界。舞台と現実と芝居の構想と妄想が境界無く入り乱れて、江戸戯作者の物語に対する一種の狂気すら感じさせます。
そういえば
井上ひさしの「手鎖心中」などでも戯作者たちは可笑しくてどこかしら変でしたし、
北斎の描く妖怪変化はすごい迫力があります。最初の三作はそんな怪異な江戸情緒が面白かったけれど、最後の「戯場国
邪教對陣」は
ネクロノミコンがでてきてからの、もう荒唐無稽のナンセンスぶりはとっても好みです。ああ面白かった。