壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

あんじゅう 宮部みゆき

震災から一ヶ月、被災したわけでも買い物に不便をしているわけでもないのに、毎日落ち着かない気持ちでいます。新しい本がほとんど読めない状態ですので、ずっと前に読んだ本を少しずつUPしてます。
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あんじゅう 宮部みゆき
三島屋変調百物語事続
中央公論新社 2010年 1890円

『おそろし』の続編。半年ほど前に図書館で予約。やっと回ってきました。ここで逃すと、またいつ借りられるかわからないと読み始めれば、やっぱり読みやすい本で、久しぶりに一気に読みました。

三島屋の叔父夫婦に預けられたおちかが聞き取った不思議物語は、前作に比べるとソフト。人の心の奥に隠れている闇のような百物語は、切なくて哀しいけれど、救いがあって、ちょっとかわいらしい。
第一話『逃げ水』丁稚の小僧さんに取り付いている「お旱さん」はかわいい女の子。
第二話『藪から千本』双子の姉妹をめぐる怖い話。怖いのは人の心。
第三話『暗獣』空き屋敷に棲むものに付けた名前が「くろすけ」。「まっくろくろすけ」の大きいやつかな。
第四話『吼える仏』山間の落ち武者の里。人の心に巣食った闇が広がる。
にぎやかな少年探偵団やちょっと気になる若先生こと青野利一郎。おちかを見守る女中のお勝。新しいメンバーが増えて、続々編も出そうな予感。(2010年12月読了)