壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

ブーベ氏の埋葬 ジョルジュ・シムノン

近況:先週とりあえず家にあったお米とトイレットペーパーと乾電池をもって都下の実家に行き、昨日静岡に戻ってきました。東京のスーパーのがら空きの棚にびっくりしましたが、震災の影響がほとんどないはずの静岡でも、米や電池をはじめとする数種の商品には購買制限がかけられています。それを見ると、不必要な物まで買いだめしたくなりますが、がまんがまん・・。

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ブーベ氏の埋葬 ジョルジュ・シムノン
長島良三訳 河出書房新社 2010年 1700円

1950年8月のパリ。セーヌ河の河岸通りの古本屋の客であったブーベ氏が急逝した。アパルトマンでつつましく暮らす身寄りのない老人だったはずのブーベ氏に、何人もの関係者が現れる。それぞれが語るブーベ氏の過去・・・・・。

シムノン本格小説選』として数冊既刊がある。メグレ警視は出てこなくても、これぞシムノン!ブーベ氏の前歴が徐々にわかるにつれ、その逸脱の人生も明らかとなる。それも面白いが、彼を取り巻く人々の心理描写がやっぱり面白い。(2011年2月読了)