『精霊の守り人』シリーズニ作目。
チャグムたちと別れて、養父ジグロの汚名をすすぐため、生国カンバルに向かったバルサ。でもそこで明らかになった事実は、バルサをさらなる闘いへと導きます。今まで目をそむけていた自分の過去と向き合い、その痛みに耐えることができるのか・・・。
チャグムたちと別れて、養父ジグロの汚名をすすぐため、生国カンバルに向かったバルサ。でもそこで明らかになった事実は、バルサをさらなる闘いへと導きます。今まで目をそむけていた自分の過去と向き合い、その痛みに耐えることができるのか・・・。
主人公バルサの人物像、美しく荘厳な『槍舞い』とその意味、息をもつかせぬ展開。読み応えありました。子供向きのこんなに短い作品なのに、なんと豊かな内容なんでしょう。
地上のカンバル王国と地下に広がる世界が、前作の『サグ』と『ナユグ』の二重の世界構造に対応するのかと思っていたら、そうではないのですね。 (この地では『サグ』は『ノユーク』といいます。バルサは、「この世のふしぎってやつを知るために生きている」タンダにこのことを教えてやりたいと思ったのでした。・・この場面、好きです。) サグとナユグをつなぐものとして、地下に棲み『山の王』の民でありながら、地上では『牧童』である一族が登場してきます。『精霊の守り人』では、『水の民』は地上に現れることはなかったけれど、ここでは『牧童』は二つの世界を繋ぐものとして明確に存在します。世界構造のイメージがいっそう豊かになっていました。