壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

生物の驚異的な形 エルンスト・ヘッケル

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生物の驚異的な形 エルンスト・ヘッケル
小畠郁生監修, 戸田裕之訳 河出書房新社 2009年 2800円 

「ヘッケルの系統樹」と「個体発生は系統発生を繰り返す」という言葉で有名なエルンスト・ヘッケルは、科学者であると同時に芸術家でもありました。その代表的な図版(Kunst-Formen der Natur)が昨年日本で出版されていました。ダーウィンの熱心な信奉者だったヘッケルは(ダーウィン以降なので)『西洋博物学者列伝(アリストテレスからダーウィンまで)』には入っていませんでしたが、以前からヘッケルの絵を見たいと思っていました。図はネット上でも見ることができます。。図版はここから借りてきました。

例えば鉢クラゲ(図版8)の見事なこと!
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マリア・シビラ・メリアンの時代から、博物学は芸術と分かちがたい存在でした。ヘッケルを博物学者としていいのかどうかはともかく、ヘッケルは科学者と芸術家の二つの側面をもち、美しく奇妙でありながらも正確な図版は、生物の対称性と繰り返しの持続性という彼の思索を描き出しているようです。ヘッケルと同時代の、フランスのアール・ヌーヴォー、ドイツのユーゲント・シュテールにも影響を与えたそうです。

解説文よりメモ
ヘッケルのクラゲ(図版88)と、それをモデルにしたガラスのシャンデリア(モナコ海洋研究所)
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ヘッケルの放散虫(図版31)と、それをモデルにした1900年パリ万博の入場門(Rene Binet)
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100枚の図版があるので2800円という値段はリーズナブルと思います。図書館で借りましたが、欲しいなあ・・・