壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

シチリアを征服したクマ王国の物語 ディーノ・ブッツァーティ

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シチリアを征服したクマ王国の物語 ディーノ・ブッツァーティ
天沢退二郎/増山暁子訳 福音館文庫 2008年 650円

このところ読書が思うように進まないのは、老化現象かな。老眼が進行し眼鏡の度が合わなくなったので、行間の広い大きな活字の本を選んでいます。集中力も続かないので、子供向きの本を借りてきました。

ロダーリ、カルヴィーノの次はブッツァーティ。イタリア児童文学です。

厳しい冬に耐えかねて山から降りてきたクマたちは、ちえと勇気をふりしぼって悪賢い人間に勝ってシチリアを治めるのだけれども、やがて人間たちのように欲望にかられて堕落していきます。こんな風にまとめると、なにか教訓めいてしまいますが、物語は奇想天外で、つい引き込まれる面白さ。
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こんなに楽しいブッツァーティ自身のカラー挿絵が物語に独特の雰囲気を与え、挿入された歌のような詩に味があります。面白くてドキドキしてちょっと悲しいクマさんたちです。

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