壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

硝子の殺人者 今野敏

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硝子の殺人者 今野敏
大陸書房 1991年 720円

安積班シリーズ第三作。三冊目にして「偉大なるマンネリ」の面白さです。

TV界の内情がらみの殺人はありきたりですが、あとがきで作者がトリック先行のミステリでなく、人間臭い刑事ドラマを書きたかったとあるように、登場人物がどんどん面白くなってきます。とくに“刑事としては太りすぎの須田部長刑事”がいい味を出しています。また警察官の身内に事件関係者がいて隠蔽の気配があり、「隠蔽捜査」の原型が見られます。

二時間ミステリ(二時間くらいで読めるので)は手軽でいいけれど、続けて読むとちょっと飽きます。