壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

十二国記 風の海 迷宮の岸(上・下) 小野不由美

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十二国記 風の海 迷宮の岸(上・下) 小野不由美
講談社X文庫ホワイトハート 1993年 各440円

十二国記」二作目。時代は一作目「月の影 影の海」より少し前です。蓬莱生まれの蒿里要は十歳の時、泰国の麒麟である泰麒としてこの世界に呼び戻されました。蓬莱で家族と暮らしていた時に、自分の居場所がないと感じていた彼は、この世界で初めて居場所を得たように感じました。しかし、麒麟として転変できず王を選ぶ天啓を感じることもできないと思い悩む心のうちが、細やかに描き出されています。

とにかく泰麒がかわいい!妖魔・饕餮折伏できるくらいの力を持っているはずなのに自信がなくて、生真面目な景麒の見当違いの励ましに、かえって戸惑ってしまいます。外伝「魔性の子」で、この蒿里要が蓬莱(現代の日本)に視点を置いて描かれているらしいので、次は「魔性の子」にいきます。