壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

20世紀の幽霊たち ジョージ・ヒル

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20世紀の幽霊たち ジョージ・ヒル
白石朗ほか訳 小学館文庫 2008年 980円

ホラーは苦手なんですが、なになに? スティーヴン・キングの息子だって? というミーハー的興味もあって読み始めました。16編の短編(と謝辞の中にもう一編)は多種多様だけれど、少年たちの眼を通してみた世界という共通項があります。

血みどろ系ホラーはかなりグロいので、もう勘弁してください。でも、風船人間との共生なんていうシュールな味の『ポップ・アート』はいいですね。ダンボールハウス異世界の入口だという『自発的入院』も素晴らしい。『マント』は空を飛ぶ少年のファンタジーかとおもったらもう一ひねりありました。『ボビー・コンロイ、死者の国より帰る』は、映画の撮影現場でゾンビに扮した男女の心理的機微がなんとも巧く描かれています。