壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

腐蝕花壇 森村誠一

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腐蝕花壇 森村誠一
集英社文庫 2008年 650円

歌舞伎町のホテルでの突然死、渋谷の高級マンションでの落下物による事故死、代々木の路駐自動車内の絞殺死。一見何の関係もない事件がだんだんにつながり、疑獄事件に発展する。風景描写も警察と政治家の癒着というテーマも森村節(というか森村臭)に満ちています。でもやっぱり巧いです。

自分では買わないし、借りることもない本ですが、先日貰ったのでつい読んでしまいました。「高層の死角」や「人間の証明」などかなり読んだ覚えがありますが、ほとんどが貰い物でした。森村誠一作品はどれだけあるのだろうかと公式HPを見ると40年の作家生活で360冊だそうです。これだけの多作でありながら、一定レベルを長く保つというのはすごいことだと思います。

それだけでも驚きなのに、例えばこの本は、1987年に新潮社から単行本として出版され、新潮文庫祥伝社→角川文庫→徳間文庫と引越し、2008年に集英社文庫から出ています。こういう契約の方法だと、新しい本が出たなんて勘違いして、また買っちゃう人だっているかもしれません^^。そういう目にあわないようにこのブログを始めたんでしたっけ。