歌舞伎町のホテルでの突然死、渋谷の高級マンションでの落下物による事故死、代々木の路駐自動車内の絞殺死。一見何の関係もない事件がだんだんにつながり、疑獄事件に発展する。風景描写も警察と政治家の癒着というテーマも森村節(というか森村臭)に満ちています。でもやっぱり巧いです。
自分では買わないし、借りることもない本ですが、先日貰ったのでつい読んでしまいました。「高層の死角」や「人間の証明」などかなり読んだ覚えがありますが、ほとんどが貰い物でした。森村誠一作品はどれだけあるのだろうかと公式HPを見ると40年の作家生活で360冊だそうです。これだけの多作でありながら、一定レベルを長く保つというのはすごいことだと思います。