時代小説を読むつもりで、こんなのを借りてしまいました。’’’もしも~だったら’’’という架空の幕末史です。
嘉永六年(1853年)、日本びいきのフランス人アナトール・シオンが出島にやってきました。二十代半ばのシオン青年は、眉目秀麗で好奇心旺盛、判断力と決断力に富み武術にも長けています。幕府方の川路聖謨、勝海舟と親しくなり、坂本竜馬、西郷隆盛たちとも友人になってしまいます。でも物語の前半は史実を大きくひっくり返してはいません。
ところが老中堀田正睦に信用されて日米修好通商条約の不平等条項を撤廃させ、伊直弼を丸め込んで吉田松陰を渡米させるあたりから、歴史がずんずん裏返ってきます。尊皇攘夷ではなく尊皇好夷、大政奉還はあるけれど王政復古ではない。とすれば・・
幕末史、維新史を笑いながら楽しく勉強できるのですが、もちろん受験勉強には役立ちません。