「支那そば館の謎」に続き、ますますドタバタ感の増す、新聞記者折原けいと、ムンちゃんことバカミス作家水森堅のコンビです。このコンビにうんざりしている元広域窃盗犯有馬次郎と、京都検定に出てくるような京都トリビアと、美味しい料理と、ますます冴え渡る大悲閣千光寺住職の洞察力と、なんとも軽妙なお話ばかりです。
タヌキうどんの具に関する京都トリビアからはじまって、ムンちゃんこと水森センセの傷心旅行にいたる『狐狸夢』。これはカクテルの名まえ。
『悪縁断ち』で有名な安井金毘羅宮の形代に書かれた謎の言葉。けいちゃんムンちゃんコンビのせいで、有馬次郎にまたもや容疑が。
けいちゃんムンちゃんコンビの大暴走が大悲閣に『冬の刺客』を呼び込む。御手洗神社のみたらし団子はなぜ五つなのか。
馬が車にはねられたという『興ざめた馬を見よ』の裏にもうひとつの事件が隠れていた。有馬次郎の<俺>モード全開か。
ユーモアミステリで、満腹しました。