「怖い絵」続編です。怖い絵に隠されたもっと怖くて面白い事実。描かれた小道具一つ一つの意味を知り、まじまじと絵を眺め、ネットで検索して、何倍も楽しめました。
例えばレンブラントの『テュルプ博士の解剖学実習』。登場人物たちは、遺体の足元の書物を覗き込んでいるという設定ではあるものの、みなの顔の向きがいささか不自然な感じですが、実はこの絵が依頼されて描いた「記念集団肖像画」であったためだということ。
当時富裕層の間では肖像画が流行したが、グループ肖像画であれば画料の節約になるということで、集団肖像画も流行したそうです。外科医ギルドが依頼した絵は、記念写真のような平板さを排したドラマチックな仕上がりになって、レンブラントの名を世に轟かせることになりました。
作品8 フォンテーヌブロー派の逸名画家『ガブリエル・デストレとその妹』
毒殺後の絵に描かれる緑色の棺
毒殺後の絵に描かれる緑色の棺
作品10 ジェラール『レカミエ夫人の肖像』
流行の下着ファッション。おしゃれはいつも寒い。
流行の下着ファッション。おしゃれはいつも寒い。
作品14 ミレー『晩鐘』
ダリをあれほどまでに刺激したミレーの静謐とは
ダリをあれほどまでに刺激したミレーの静謐とは
作品15 ドラローシュ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』
美しさゆえの戦慄
美しさゆえの戦慄
作品16 ホガース『精神病院にて』
見物料をとる観光名所だった
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