壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

ハッピーエンドにさよならを 歌野晶午

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ハッピーエンドにさよならを 歌野晶午
角川書店 2007年 1500円

今週は、一人企画の新刊本週間です。図書館の本なので最新刊というわけには行きませんし、予約の無い(人気の無い^^)本が殆どですが・・。

図書館の新着図書コーナーで見つけました。こういう本は予約でいっぱいのはずなのに何故?あちこちのブログで見かける歌野晶午さんの本なので早速借りました。初めて歌野晶午さんを読みましたが、何でこんなにブラックなの?

ブラックというよりはダークで、ユーモアやジョークのかけらもない感じです。11の短編のほとんどが、家族・親族間の事件で、まったく救いのない結末です。ミスリードによる意外なオチも底知れぬ悪意に満ち、物語の毒気に当てられて読後感が悪いのです。

この読後感の悪さこそ、著者の狙い目なんですね。物語の巧みな展開や筆力に喝采を贈るべきでしょうが、歌野作品を読みなれていないせいか、疲れているせいか、気分がどんよりして、元気が出でません。歌野さんの術中に嵌まったのでしょうか。