壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

M.G.H 楽園の鏡像

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M.G.H 楽園の鏡像 三雲岳斗
徳間書店 2000年 1600円

「旧宮殿にて」でミクモ熱に軽く感染したようです。宇宙ステーションという無重力空間で起こった墜落死ってなんて魅力的。まわりは真空という密室で、巨大回廊のような館もので、落下でmghというからには、物理系ハードSF本格推理か!と勝手に盛り上がって読みました。

人間関係に希薄で食べ物に執着のない鷲見崎凌と、可愛らしい舞衣の探偵コンビも、ハイテクのちりばめられた人工的な密室も、頭で考え出した非現実的な犯行方法も「すべてがFになる」(森博嗣)を連想させます。

Howdunitはもう少し具体方法を説明して欲しかったけれど、この話はSFやミステリー以外のところに主題があるので、そんな些細な事にこだわるべきではないのでしょう。それらしい雰囲気を充分に楽しめました。解熱しないうちに「聖遺の天使」を読みましょうか。