壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

古本暮らし

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古本暮らし 荻原魚雷
晶文社 2007年 1700円

先日、所用で神田に出かけた折、本当に久しぶりに神保町の古書店を少し覗いてみました。本はもう買わないといちおう決めているので見るだけです。帰宅して図書館でこの本を見つけてなんとなく借りてしまいました。

中央線沿いに住む著者は、神田も含めて沿線の古書店をめぐって散歩し、本を買っては読んだり売ったり居酒屋で飲んだり、主夫として節約する日常を、そして肩の力の抜けた暮らしぶりを、独特の語り口で語ってくれます。たくさん引用される小島政二郎辻潤古山高麗雄などの文士たちのような古色蒼然とした雰囲気があります。でも文章は短くてブログ風だと思ったら、本当にブログの記事でした。

本は買ったら売るか捨てるというイン&アウトの法則、本を引越しするのに2リットルペットボトル6本入りのダンボールが最適というのには、「あるある」という共感の笑いをもらしてしまいました。先頃、床のカーペットを張り替えるために、そのダンボール60箱に本を詰め移動させたばかりでした。おかげで五十肩になりました。家全体でたぶん200箱近い本を少しずつ捨てているところです。死ぬ時にはお棺に入るだけの本にしたいと思いますが、たぶん無理でしょうね。