佐藤亜紀三連発。「天使」の前後の話。数日前に「天使」を読んだばかりなのに、登場人物の名前を忘れていて、我ながら驚きます。東欧系の名前になじみが薄いためというより、短期記憶が定着しないということでしょう。
やっと名前を思い出せば、後はもう物語に一気にのめりこめました。面白いほど忘れるので(忘れるほど面白いので)、最低限メモっておきましょう。「王国」はオットーとカールがジェルジュの部下になるまでの話。「花嫁」はジェルジュの両親の話。母親ヴィリの「感覚」は超弩級。「猟犬」帝国解体後の帝政派との興亡。ジェルジュを襲撃したヨヴァンは天使の登場人物。祖母と叔母たちの家がよかった。「雲雀」スタイニッツ亡き後、ジェルジュの身の振り方。スパイが引退するのはなかなか大変。
「感覚」を持つもの同士の超能力戦の記述はすばらしいですね。この物語の白眉です。「雲雀」最後の、「あのお巡りの名前」のくだりは笑えました。いい終わり方です。