壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

奥様はネットワーカ 他二冊

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森 博嗣の本は初めてです。「すべてはFになる」は図書館で貸出中で、あまり手擦れていない本を三冊借りてきました。名前しか知らないので、テイストの違いそうな本を三冊選びました。

奥様はネットワーカ 六人の登場人物の独白をつづった形のミステリー。たあいないミステリーですが、叙述トリック、ミスディレクションにはひっかかりました。散文詩のような部分はこの著者の特徴なのでしょうか。一時間もかからずに読めるほどの本ですが、登場人物にリアリティーが感じられます。N大付近に土地勘のあるせいかも知れません。

工学部・水柿助教授の日常 私小説風のミステリー論?とでもいうのでしょうか、日常の些細な出来事も捕らえようによってはミステリーの要素があるということです。楽屋オチみたいなネタもありますが、主人公の思考が次々に本筋(があるのかどうか?)からそれて、周りのいろんなことが取りとめもなくspeculationの対象になるあたり、その思考回路にいたく共感をおぼえました。いまどきの若い人なのに、言葉の感性が割りと古いと思ったら、1957年生まれという事で、そんなに若くないじゃないですか。そのせいでしょうか、肩の力が抜けた読みやすい本でした。続編の「工学部・水柿助教授の逡巡」も読もうとおもいます。

ダウン・ツ・ヘヴン 本の装丁がすばらしいので借りてしまったのですが、スカイ・クロラ シリーズ3作目と言うことで、「スカイ・クロラ」も「ナ・バ・テア」読んでいないのでなんともいえません。散文詩のような独白と少々の会話からなり、飛行機に関する専門用語がちりばめてあって、一作から読まないと世界観に入りこめそうもありません。全五作の予定だそうで、一作から読むかどうかは微妙。