壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

不思議事件簿

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オカルト探偵ニッケル氏の不思議事件簿 ジョー・ニッケル ジョン・フィッシャー
佐藤雅彦 訳 東京書籍 2001年 2200円

ジョー・ニッケルはもと手品師で、CSICOP;Committee for the Scientific Investigation of Claims of the Paranormal (サイコップ;疑似科学批判団体)の会員です。グールドのような才気煥発な文章ではありませんが、冷静で分析的な文章はわかりやすい。1988年に書かれた本が最近翻訳されたものです。

オカルトブームが始まると、またこの手の番組がテレビでもてはやされるのでしょうが、オカルトを本当に信じている人が番組を作るのはやめて欲しいものです。オカルトは一種の宗教ですから、オカルトを信じるのは個人の自由ですが、テレビなどでは宗教の一種として扱い、むやみに人を信じさせるやりかたは排除して欲しいと思います。

死霊にとりつかれた階段―マッケンジー屋敷の幽霊の謎
死を呼ぶ宝石―水晶ドクロの謎
心霊写真の謎―死者たちの自画像
あの子はどこに消えた?―人間消滅事件の不思議
“偶然の一致”の真相―ふたりのウィル・ウェスト氏を襲った運命のいたずら
霊のお導きで金鉱さがし―“占い棒”で金脈が見つかるか
神々の落書き―グアダルーペのマリア象を裸にする
血まみれの幽霊扉―「死にえだ村」の謎
ひとりでに動き出す棺―バルバドス島の地下納棺室の怪奇
“人体自然発火”現象の真実 
人体自然発火事件史

どれも、すっきりと否定されていて気持ちよく読めましたが、日本ではこの手のオカルトめいた詐欺行為に対する反論を真面目に取り上げている本は見たことがありません。