壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

ナスカ 地上絵の謎

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ナスカ地上絵の謎 砂漠からの永遠のメッセージ アンソニー・F・アヴェニ
増田義郎 監修 武井摩利 訳 創元社2006年 2800円

ナスカの地上絵 シモーヌ・ワイスバード
恩蔵 昇訳 川崎 通紀 訳 大陸書房1983 1500円

数ヶ月前ナスカ展を見ました。地上絵はあまり印象が薄いのですが、周りから出土した数多くの彩色土器や布、言語記録らしい紐、ミイラなど人々がどんな生活を営んでいたのか、想像力をかきたたせるものがありました。地上絵はgoogle mapでみるとなかなか迫力がありますが、やはり実際の大きさはわかりません。

南北アメリカ文明の歴史やナスカ文明のことが気になって借りてきましたが、インカ研究史についても詳しく書かれていました。ナスカには建造物遺跡もたくさんあり、盗掘された土器やミイラが観光客相手に売られていたといいます。

ナスカラインを作るのには、設計図も特別な道具も要らず、人手だけで比較的簡単にできる事。一直線のラインが水路に関係している事など、ナスカ研究のもっとも新しい見解があります。そこに至るまでに、古い見解を持つ人々との軋轢も書かれていました。
動植物の図が何を意味しているのかはわからないが、土器などに残された彩色画と同様に精神世界に関したものでしょう。地球外生命体説はもちろんですが、天文学説もきっぱり否定していて気分よく読めました。

ナスカの地上絵では、ナスカ文明の紹介はもっと詳しく面白いが、地上絵の謎については、諸説紛々のままでした。