ル グウィンの最新刊です。西のはての年代記三部作の初巻で、Voices、Powersと続くそうです。無駄のない文章に、イメージがどんどん広がっていきます。ギフトと呼ばれる特別な力をめぐり、少年が大人になっていく過程が、一人称で語られます。ギフトは家族代々遺伝のように受け継がれる魔法のような力ですが、なんでもできる魔法ではなく、代々受け継がれる “業“のようなものです。少年の、強すぎるとされるギフトを封じるため、目隠しで盲目にされた少年が、自己を確立していく過程が、抑えた文章でつづられます。 第二巻は原著が既刊だそうで、ペーパーバックが安かったら購入したいところです。ル グウィンは結構お年なので、元気で最後まで書いて欲しいです。