壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

退屈姫君伝(シリーズ四冊) 米村圭伍

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退屈姫君伝 米村圭伍
新潮文庫 2002年 590円
退屈姫君海を渡る 米村圭伍
新潮文庫 2004年 476円
退屈姫君恋に燃える 米村圭伍
新潮文庫 2005年 476円
退屈姫君これでおしまい 米村圭伍
新潮文庫 2009年 590円

そろそろ復活できそうです。まだ気持ちが疲れているので、何か軽い本を読みたいと思い、「だまされたと思って読んでみては?」というりぼんさんを信じてみました。

あはは、あはは、面白い。シリーズ四冊を一気読みしました。

十代将軍家治の時代、四国の貧乏小藩に嫁いだ東北の大藩の姫君めだかは17歳。その美貌に似合わずいたずら好きで、江戸屋敷にじっとしていることなんか出来ません。退屈が大の苦手で、ちょっとだけ正義感も持っています。

屋敷に伝わる六不思議の謎解きをして藩の命運をかけて天下の悪役田沼意次と対決し、参勤交代で国表にいるはずの夫(藩主)が行方不明になれば千石船で讃岐に駆けつけお家騒動を解決し、美男の将棋指しと大名の姫君との身分違いの恋を取り持ち、果ては菊合わせに絡んで不正を働く田沼のバカ息子を懲らしめたりと、大活躍。

大騒動を解決する(というか騒動をおこす)めだかを取り巻く面々は、くノ一の少女お仙、お庭番倉地、老女諏訪、巨魁将棋師小文五などなど。長屋の町人や国もとの藩士や農民どころか将軍様まで巻き込んでの大騒ぎです。

時代考証は特に細部にのみ徹底してこだわり、語り口は丁寧な講談調なのに、天衣無縫なめだか姫はラノベ風キャラ萌え、でも艶笑話も欠かせないというしっちゃかめっちゃかです。表紙の絵から、どこぞの若旦那のほのぼの系を想像してはいけません^^。

このシリーズはもう終わりですが、これ以前の話「風流冷飯伝」も後日談「面影小町伝」もあるそうです。さがしてみましょう。