壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

桜庭一樹読書日記

イメージ 1

桜庭一樹読書日記 東京創元社

少年になり、本を買うのだ。2007年 1500円

書店はタイムマシーン 2008年 1600円

未読の作家の作品をどれから読むかに迷うことがあります。そんな時はまずエッセーのような軽いものに手を出してみます。

第二作(書店はタイムマシーン)では推理作家協会賞から直木賞受賞前後の騒動が面白可笑しく書かれていて楽しめましたが、第一作(少年になり、本を買うのだ)では都会で一人がんばっている若い女性の心もとなさがふっと感じられたり、我が身を削るように執筆している桜庭さんが『鶴の恩返し』の『つう』のように見えたりもして、なかなか好ましいものでした。また紹介されている本の傾向が、一作目と二作目で微妙に違っているように感じられて、それも身辺の変化と関係があるのでしょうね。

新宿二丁目ワンルームマンションにどうやってこんな多量の本があるのか?という野次馬的好奇心をかき立てられ、また『本読み』の特異な性癖には共感しきりでした。ただ、美味しそうに食べ面白そうに読むのを見物しているのは楽しいはずですが、読むのも食べるのもかなりの大喰い・早食いで圧倒されてしまいました。

知らなかった本、読みたいと思っていたことを思い出した本など多数あってメモしきれません。読んだことのある本もあれこれ再読したくなって物置を漁り、収拾がつかなくなり、二日ほどボーッとしていました。べるさんにお薦めいただいた『赤朽葉家の伝説』からまずは読もうと思います。図書館の予約もそろそろ途切れているでしょう。 老年になり、本を借りるのだ。