壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

最後のウィネベーゴ

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最後のウィネベーゴ コニー・ウィリス
大森望訳 河出書房新社奇想コレクション 2006年 1900円

コニー・ウィリスというアメリカのSF作家を最近まで知りませんでした。

「女王様でも」:女性の<解放>って、まあたしかにフェミニズム問題ですけれど、こんなに共感しながら笑えるのは初めて。“男は勘定に入れません”って。抱腹絶倒系SFは、最も好ましい分野のひとつです。

タイムアウト:昼メロ的日常に潜むタイムトラベルという感じのコメディーです。もうあまりの忙しさにキャロリンがtime-outと言いたくなる場面は十何年も前に経験しました。

「スパイス・ホグロム」メイドインジャパンらしきスペースコロニーは、住空間が狭くて窮屈。そこに宇宙人やら何やらうるせいやつらが押しかけて、せっかくいいところまでいくと邪魔が入る。人間同士のコミュニケーションもままならないのに、ましてや異星人ミスター・オオギヒ◎△□●とは難しいとおもいきや・・。でもドタバタ恋愛コメディーなんです。

「最後のウィネベーゴ」:舞台となる近未来のこの世界は、犬をはじめとするかなりの動物が絶滅して、化石燃料も枯渇して、アメリカ内陸部はひどい旱魃らしい。かなりの終末観ただよう世界だけれど、ここでもっぱら話題にされるのは、絶滅寸前の大型キャンピングカーと、十何年も前に死んだ愛犬の話。失われつつある世界への挽歌のようなシリアスドラマです。

コニー・ウィリスの作品は図書館で何冊か見つけました。今まで知らなかったのが、もったいなかった!どれから読もうかしら。忘れないようにメモします。→犬は勘定に入れません/航路/リメイク/ドゥームズデイ・ブック/アリアドニの遁走曲(フーガ)/リンカーンの夢/わが愛しき娘たちよ

今年記事にする最後の作品は、奇しくも「最後のウィネベーゴ」。ブログを通して知る事のできた本です。

来年も、変わりなくbookaholicの日々が迎えられる事を祈りつつ、良いお年を!!