壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

オルタード・カーボン

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オルタード・カーボン (上 下)リチャード・モーガン
田口俊樹訳 2005年 アスペクト


27世紀には人間の意識のデジタル化が可能となったために、遠くの星からもダウンロードしてメモリースタックに保存可能で、どんなスリーブ(からだ)にも装着できる。つるしの人造スリーブからオーダーメイドのもの、自分のクローンでも他人の体でも、肉体はいくらでも取替え可能で、メモリーのコピーがあれば、不老不死。真の死はコピーのないメモリーが破壊された時だけである。

太陽系外の入植星から地球にダウンロードされたタケシ・コバッチは、恋人を人質にされやむなく私立探偵のようなことをさせられる。地球の有力者であるバンクロフトが自殺した原因をさぐりたいというバンクロフト自身の依頼だった。

27世紀だって人間のやることはそんなに変っていない。バイオレンスはダシール・ハメット、タフだけれど優しいのはレイモンド・チャンドラーのよう。サイバーパンクウィリアム・ギブスン? 「ニューロマンサー」は未読なのでこんど是非。

[(サイバーパンク)*(ハードボイルド+私立探偵)]/√(27世紀)=∑オルタード・カーボン