壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

日本の帰化植物図譜

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日本の帰化植物図譜 
日本植物画倶楽部(植物画制作) 大場秀章(監修・解説)
アボック社 2009年 9800円

図鑑が好きで、ボタニカルアートも好きなので、こういう本は見逃せません。図書館で借りてきました。ページをめくると、道端で見慣れたオオイヌノフグリ帰化植物なのかと驚きます。庭に植えて育てているセイヨウジュウニヒトエも、旺盛な繁殖力の故に野生化しているのでしょうか。園芸種として導入した植物が逸出したものが多いようです。

帰化植物とは、外来種のうち人為的に(意識的にでも無意識にでも)新しく地域の植物相に持ち込まれて、自然もしくは半自然の状態で生育している植物ということです。でも外来種とは何か、いつの時代に持ち込まれたものをいうのか、自然に生育しているとどう判断するのか、帰化植物を明確に区別するのは難しいようです。

森林の農地化や都市化が進行して全く異質な環境が人為的に作り出されると、そうした場所の多くを占有するのは帰化植物が多いのだそうです。都会のコンクリート砂漠では、本来湿潤な日本の気候に適応している在来種の植物よりも、世界の準乾燥地帯に自生している植物のほうがずっと育ちやすいというわけです。

侵略的外来種ワースト100にあげられているセイヨウタンポポモもハルジオンも、見慣れた身近な植物が美しい図版になっているのが素晴らしいです。暖かくなって、プランターの花も庭の雑草もどちらも緑が増していくのは、嬉しいものです。

去年四月のセイヨウジュウニヒトエ↓雑草に負けていません。
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