壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

メイプル・ストリートの家 スティーヴン・キング

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メイプル・ストリートの家 スティーヴン・キング
永井淳 他訳 文春文庫 2006年 590円

「ナイトメアズ&ドリームスケープス」の二巻の短編集を文庫本四分冊に編成しなおしたものだそうですが、幸いなことにどれも未読でした。キングを一概に「ホラー」として括ってしまうのは惜しい気がしますし、このごろホラーにも耐性ができたようなので、キングを短編から読もうかなと思います。

『かわいい子馬』
死を間近に感じた祖父はかわいがっている孫に人生訓らしきものを必死で伝えようとしている、人生における時間とはかわいい子馬なのだと・・。
♪かわいい子馬の意味するものが曖昧で、分かるような分からないような、落ち着きの悪いラストでした。でも祖父と孫の絶妙な会話が何とも印象深いです。
『電話はどこから・・・?』
脚本形式の短編。ケティは居間で一本の電話を受けるが、ごく身近な人間が泣きじゃくっているように思えた。大学の寮にいる娘のポリーでも、ケティの母親でもない。ではいったい誰が・・
♪そういう状況ならば、私だって必死に電話しますよ。
『十時の人々』
十時になると決って銀行正面の広場に集まる人々。いまや肩身の狭い喫煙者である彼らは、蝙蝠人を見分ける能力があるというのだ。
♪侵略者との長い戦いの一部のような作品ですが、蝙蝠人のグロテスクさが際立っていて映像では見たくないものです。
クラウチ・エンド』
アメリカ人の夫婦がクラウチ・エンドにある友人の家を訪ねる。場所もはっきりしないままタクシーに置き去りにされ、得体の知れない町で迷子に・・・
♪こういう迷子系ホラーは好み。設定はありきたりでもキングならではの筋運びを楽しめます。
『メイプル・ストリートの家』
母親をいじめる継父に反感をもつ四人の兄弟姉妹は、彼を追い払うための秘策を実行する。その奇想天外な発想に・・・・。
♪家ごと○○○するなんて・・こんな話はどこかでよんだような・・・。でもキングの描く子供たちはとても魅力的です。



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作品一覧で確かめて思い出す限り、S・キングの既読作品をメモしておきます。

『キャリー』/『呪われた町』/『シャイニング』 (怖いもの見たさで読みましたが、怖くて血の気が引きました。My scariest novel)/『クージョ』/『ペット・セメタリー』/『ミザリー』(思い出すと心拍数が上昇)/『痩せゆく男』/『トミーノッカーズ』(乾電池を使うたびに思い出す)/『ニードフル・シングス』(本が物置にあったので読んだはずなのに何も思い出せない)/『恐怖の四季(刑務所のリタ・ヘイワースゴールデンボーイスタンド・バイ・ミー、マンハッタンの奇譚クラブ)』/『ランゴリアーズ』『秘密の窓、秘密の庭』『図書館警察』『サンドッグ』

1980年代までは結構読んでいたようです。ただ短編集については全く覚えていません。
『ザ・スタンド』はTVドラマで見てしまったので未読のまま。『ダーク・タワーシリーズ』のような長編は根気がないのでたぶんダメです。最近の長編は全く読んでいないので『セル』『リーシーの物語』『悪霊の島』あたりから読もうかなと思います。